「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。ライター照宮氏がレポートする「仕事ができる人が最初にすること」とは?(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
Photo: Adobe Stock
小さな出版社の悲しい現実
小さな出版社で経理をしていた頃、社長兼編集長の仕事ぶりを間近で見ていた。
会社には社長専用の折り畳みベッドがあり、家に帰らず編集作業をこなす。その熱量は本物だったし、出している本の質も決して低くはなかった。
それでも売上は思うように伸びない。
出版業界は不況と言われ続けているうえに、どれだけよい本をつくっても、キャッシュが入ってくるのは数カ月先。編集の努力だけでは、どうにもならない壁があった。
壁の正体は、本当に自分の中にある?
最小の努力で成果を最大化するプロフェッショナルの木下勝寿氏は著書『地頭スイッチ』でこう述べている。
――『地頭スイッチ』より
打開策として社長が目をつけたのが、オンラインサロンだった。
最初はなかなか名のある人が集まらず、思ったような反応は得られなかった。
しかしその後、YouTuberとのコラボが実現し、それまでとは比べ物にならない売上が立った。そうしてなんとか、窮地を脱することができた。
出版業界の構造そのものは、編集の努力では変えられない。それらの外部要因を見極めたからこそ、次の一手が変わったのだと思う。
頑張っているのに疲れだけが増していく人へ
努力が報われないと思ったとき、多くの人はまず自分の内側(内部要因)を疑う。
スキルが足りない、やり方が悪い、もっと頑張らなければ!
でも、自分ではコントロールできない「外部要因」が壁になっているなら、内側をいくら磨いても動かない。
仕事ができる人はまず、「自分でコントロールできる範囲」と「コントロールできない範囲」を分けて考える。
それだけで、疲弊度合も、何に集中すべきかも、まるで変わってくる。本書によって、「壁の正体が自分の外にあった」と気づく人もいるだろう。頑張っているのに日々疲弊感が増していく人には有効な考え方が学べるかもしれない。








