胃の痛みが治まらない原因は
「間違った薬選び」にあった

 Fさんは、胃の痛みを解消しようと、会社の隣にあるドラッグストアで思い切って相談してみた。

「すみません。胃が痛いのでこのあたりの胃薬を何種類か試してみたのですが、飲んでも痛みが治まらないことがあります。胃が痛いときはどれを選べばよいですか?」

 すると、カウンターの中から出てきた薬剤師さんが丁寧に応対してくれた。

「お客様の胃が痛むときは主にいつですか?またそれはどんな強さですか?」

 Fさんは答えた。

「朝起きたときに、ムカムカしてそしてシクシクと痛みます。あとは会議の前です。その日話すことがまとまっていない時に胃が痛くなります」

「それはストレスから胃酸が過剰に分泌されたことによる胃の痛みが考えられます。その場合、胃酸の分泌を抑えるブロッカー成分を配合したものや、胃酸を中和する制酸成分と傷ついた胃粘膜を保護してくれる成分を配合したものが適しています。胃薬の中には、胃酸の分泌を促す成分が入っているものもありますから、痛みが治まらなかったのかもしれません。胃薬には、いろいろな種類があるので正しく選んでください。お客様にはこれがよいと思います」

 そう話す薬剤師から手渡されたものは、普段Fさんが飲んでいる種類と違うものだった。同じように見える胃薬にもいろいろな種類があり、選び方を誤れば症状が改善しないケースもあることに驚きを受けた。

不調とうまく付き合うことは
薬剤師さんとうまく付き合うこと

 Fさんはそれ以来、胃が痛み始めたらすぐに胃薬を飲むようになった。また胃薬が机に入っていると思うだけで安心できた。妻にこの話をしたら同じような経験をしていた。

「私も、あかぎれができたから薬局でハンドクリームを買ったのよ。でも、つけたら余計痛くなって、翌日薬剤師さんに相談したの。そしたら傷があるときに尿素系のハンドクリームをつけるとしみて痛みが増すと言われたのよ。そのときに別のビタミン系のハンドクリームをすすめられたから使っているけど、今は調子いいみたい。手もきれいになったのよ」

 胃薬やハンドクリームなど、ドラッグストアなどで普段何気なく選んでいたが、種類によって治りが全然違うことにFさん夫妻は驚いた。テレビのコマーシャルでよく聞く「薬は用法・容量を守って正しくお使いください」という言葉以前に、薬は正しく選ぶことが大切だと実感したのだった。