住宅購入の外国人規制もむなしく
大量に入ってきたチャイナマネー

 15年12月、住宅価格の急上昇に危機感を募らせたオーストラリア政府は、抜本的な改革に乗り出した。土地税を上げ、印紙税もさらに高くした。外国人が中古住宅を購入できないようにしたのもこの頃からだ。

 それでも効果がなかったため、2017年度からは、外国人への新築住宅販売は総量の50%を上限とする“枠”が設けられた。オーストラリアでは、外資が投資を行う前に書類申請を行うのが前提だが、その申請料も1割増しにし、空き家税も導入した。金融機関もナショナル・オーストラリア銀行、オーストラリア・コモンウェルス銀行などを中心に、16年から海外の購入者向けの融資を中止している。

 経済効果を期待して投資を誘致したものの、そこに入ってきたのは大量のチャイナマネーだった。市民生活は守られるのか、その攻防はいまや対岸の火事ではない。

 振り返れば、上海の不動産バブルも同じ構造だった。2000年代、上海の住宅価格は毎年2桁の上昇を続けた。住宅価格を上昇に導いたのは、地元上海人ではなく、浙江省温州市を中心とした不動産投機を専門に行う“外来勢”だった。

 それに伴い、どこの企業でも労使間で、賃上げを巡る激しい攻防が繰り返された。しかし、住宅価格の上昇に賃金上昇が追いついていかず、カバーできない分は副業で補ったり、相手企業との取引でひねり出したバックマージンで補った社員も少なくない。大小問わず、中国の企業で不正が蔓延したのも、住宅価格の急上昇に起因したといっても過言ではないだろう。