三菱重工業傘下の三菱航空機で開発が進む国産初のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」に、初のキャンセルが発生した。
キャンセルとなったのは、米イースタン航空と契約を結んでいた40機(確定受注20機、予備受注20機)だ。これは、MRJの全受注数の約1割に当たる数である。
MRJは、開発の遅れにより初号機の納入を5度も延期。その間に性能の優位性が薄れつつあるが、今回のキャンセルはこうした三菱航空機側の“不手際”が原因ではない。イースタン航空が、経営悪化により米スウィフト航空に事業を譲渡してしまったのだ。この際、MRJの契約がスウィフト航空に引き継がれることはなかった。スウィフト航空は、MRJよりも大きい米ボーイングなどの機種で保有機材を固めているため、MRJは不要だったとみられている。
昨年12月、宮永俊一・三菱重工社長はキャンセルの可能性について言及していたが、イースタン航空は結局、航空運送の事業許可を米連邦航空局に返上。正式キャンセルとなってしまった。