現在の株価は日本企業の実力を反映しない「過大評価」だ写真はイメージです

バブル崩壊後の最高値更新に沸いてきた東証平均株価だが、米国株式市場での「過去最大の値下がり」を引き金にした世界同時株安で急落した。「いまの株価は本物なのか」。株価が一定の期間盛り上がると、必ずこの問いが投げかけられるが、今回は「26年ぶりの高値」だったからなおさらだ。「今度こそはどうか」。しかし、今回も答えは「否」である。急落はこれまでの「高値」の根拠が乏しいことをはからずも浮き彫りにした。(DRCキャピタル代表取締役 青松英男)

いまの株価上昇は
ケインズが言った「美人投票」と同じ

 株式市場での投資家の行動パターンを、経済学者ケインズが「美人投票」に例えたのはよく知られた話だ。

 株価というのは、「最も美人だと思う人に投票してもらい、最も投票が多かった人に投票した人が褒賞をもらえる」美人投票だというわけだ。

 つまり投票者は自分が美人と思う人に投票するのでなく、他者が美人と思うであろうと思う人に投票して褒賞を狙う。