株、不動産から仮想通貨まで
バブルのリスクから逃げるには?
年明けの経済記事に、昨年の相場を巡って興味深い文字が並んでいた。有名アナリストの言葉なのだが、「昨年は投資で損をするのが非常に難しい1年だった」というものである。
その通り、昨年はどんな相場でもとにかく値上がりした。日本株もビットコインもマンションもだ。そして、それぞれについて何となくではあるが、「バブルの崩壊が近づいている」と感じる人が増えている。
そこで今回は「バブル崩壊リスクを避けて、今年は投資資産をどこへ持っていけばいいか」という大問題を、ナナメな経済的視点から考えてみよう。
実際、年が明けてからは、投資リスクを感じる出来事の方が増えている。ビットコインは、1月上旬に200万円を超えたあたりから40%以上急落して、「仮想通貨バブルは崩壊したのではないか」と言われ始めている。
都心のマンションは、東京五輪に向けて相変わらず強気の価格設定が続いているが、そもそも2億円を超える居住用のマンションを購入するのは「住む目的の人」ではなく「投資目的の人」であると、専らの噂である。言い換えれば「実需からは乖離し始めている」ことになる。
相変わらず日本株は堅調だが、それ以上に堅調なのが中国株だ。中国本土銘柄から成る香港市場のハンセン中国企業株(H株)指数は、過去最長日数の連続値上がりを記録している。ここが実は不安材料で、もし中国経済のバブルが崩壊したら、中国への依存度が高い日本企業の業績も一気に不安になる。
こうしたなか、「不安だったら、儲けが出ているうちに利益を確定させて現金を確保すればいい」と考える投資家は当然ながら増えてくる。しかし、今の時代はそう単純にはいかない。理由はマイナス金利にある。
昔は「休むも相場なり」と言って、相場がよくないと感じたら投資を手仕舞いして銀行預金に預けることがいいとされた。ところが今は違う。休んでしまうとお金がまったく増えない。昔は銀行の定期預金でさえ2%くらいの金利がついたため、100万円の資金を相場を休んで定期預金にすれば、それでも1年で2万円はお金が増えた。しかし、今の定期預金金利は0.1%なので、増えるお金はわずか1000円に過ぎない。