株価の平均成長率は
株主資本成長率に一致

 では、企業の「本源的価値」を示す指標のようなものはあるのだろうか。

 米国の著名な投資家、ウォーレン・バフェットが率いる投資ファンドであるバークシャー・ハサウェイ(BH)の、「オーナーズマニュアル」と名付けられた株主向け案内書で、バフェットはBHの長期的経済目標は「BHの一株当たりの本源的価値の年平均成長率を最大にすることである」と明言している。

 BHは、多くの事業を保有し、自らの本源的価値は常に把握しているが、あえてそれは表明せず、株主それぞれによる価値評価を尊重している。

 ただし、株主の便宜のため、「一株当たりの株主資本(純資産)年平均成長率」を、「一株当たりの本源的価値の年平均成長率」に相当程度、近似していると判断されるとして、“代替指標”として毎年、開示している。

 本源的価値の絶対額は将来の複数年のキャッシュフローを現在価値で取り込んだ価値なので、通常は簿価の株主資本よりは大きいが、それぞれの増減率が近くなるのは直感的にも理解できる。

 バフェットもこのことを確認しているからこそ、この代替指標を使用していると思われる。

 図3はBHの51年間の業績を示しているが、その一株当たりの株主資本年平均成長率は19.0%で、BHの株価平均年成長率20.8%が、驚異的にぴったり寄り添っている。

◆図表3:バークシャー・ハサウェイ(BH)業績

 まさにこれは図2で示した、市場株価が本源的価値に収斂していくという概念を実証しているのである。