「食事で交流」が
理にかなっている理由

 運営するのは株式会社キッチハイク。同社は「KitchHike(キッチハイク)」という料理を作る人と食べる人のマッチングサービスを提供している。その中で、「食べる側の交流体験」に特に重きを置いて始めたのが「みんなの食卓」である。

「従来のKitchHikeは、料理を食べたいという目的がメインでしたが、みんなの食卓は、参加者同士の交流がメインです。料理を通してフラットに参加者のみなさんが交流できるように工夫しています」(株式会社キッチハイク 共同代表 山本雅也さん、以下同)

 参加した人からは、他にも「手作りの温かいご飯がおいしかった」「目の前でごはんを作ってもらえるので、安心して食べられる」「誰かと食事を共にするのが楽しい」「食べるのが好きな人と情報交換ができる」、こんな声が上がっている。

「参加された方からは『ふだんの生活とは違う環境の人に会うことができ、知らない情報や話が聞けるのがいい』という声が多いです。人類は、はるか昔から食の場を通じてコミュニケーションをとり、他者と交流を深めてきました。『なわばりに入ってきた部外者と友好を深めるためには、一緒に食事をするのが一番だ。地球上の全ての民族が根源的にこの慣習を持っている』という文化人類学の一節があります。人間は古くから、生活で最も大切な『食』を分かち合うことで、全く知らない他者とも絆を深めてきたんです。私たちは、食卓に集まった様々な人たちと一緒に食事をすることを『民食(みん食)』と呼び、新しい食事の選択肢として広めていきたいと考えています」

 現在は東京都内限定のサービスだが、今後は首都圏から地方まで開催場所を増やしていきたいと考えている。

「人が住む場所には必ずコミュ二ティ(交流場所)が必要になると思います。みんなの食卓がそういったハブ的存在になればうれしいです。将来的には、さらに輪が広がって、外食、中食、内食に続く第4の選択肢として“民食(みん食)”が当たり前になる。そんなシーンを描いていきたいです」

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))