ただし、登録制導入時に交換業務を営んでいた業者は、登録申請すれば「みなし業者」として営業を継続できる。これはあくまで経過措置で、コインチェックを含め16社がみなし業者だ。

 なお、マスコミでは、交換業者を取引所と称しているが、かなりミスリーディングだ。

 というのは、取引所と言う場合、証券取引所のように、買い注文と売り注文が集中して取引所が直接の取引相手にならずに取引が行われるイメージだ。

 しかし、仮想通貨の場合、交換業者(取引所)が売り買いの直接の相手方になって取引されている。

 この意味で、取引所というのは不適切であり、交換業者といったほうがいい。なお、法律上の名称も、取引所ではなく交換業者である。

 登録の要件は形式的であり、事前相談に3~4ヵ月、実際の登録申請は1~2ヵ月で終了する。コインチェックが未登録ということは、本人確認義務か分別管理に問題があったのかもしれない。

 もっとも、みなし業者であっても、これらは法令に基づく義務なので、問題があるままで許されるはずがない。金融庁の立ち入り金融検査では、これらの点は法令違反として指摘されるかもしれない。

 過去の類似法令による行政処分は、多くの場合が金融検査の結果に基づくが、法令違反があれば営業停止になるのが一般的である。

「みなし業者」だから
厳しい処分の可能性も

 筆者は、大蔵官僚時代に金融検査官や証券検査官などの経験があるが、こうした新しい業界の業者では、初めての金融検査では、法令違反が見つかるケースがほとんどだ。

 もちろん、軽微なものであれば、営業停止という重い処分ではないが、今回の場合、社会的な影響も大きいので、厳しい処分になるだろう。

 ついでに、金融庁の「本音」としては、コインチェックが登録業者でなく、みなし業者であったのは、不幸中の幸いと思っているのではないか。

 もし、金融庁への登録後に今回のような不祥事が発生していたら、金融庁のメンツは丸つぶれだったはずだ。