[著者]
ガブリエル・ワイナー(Gabriel Wyner)
2007年南カリフォルニア大学卒業。専攻は機械工学と声楽。かけ離れた学問を専攻し共に優秀な成績を収めた「ルネサンス奨学生」に選出。高校まではまったく外国語が身につかなかったが、独自に外国語に没頭できる方法を探し求めるうちに、脳科学に基づいた勉強法を構築。その後、ドイツ語(CEFRガイドラインでC2[英検1級以上])、フランス語(C1[英検1級並])、ロシア語(B2[英検準1級並])、イタリア語(B2)、ハンガリー語(B2)、スペイン語(B2)、日本語(B1[英検2級並])を習得。ウォール・ストリート・ジャーナル、シカゴ・トリビューンなど複数の一流メディアに寄稿記事多数。本業はオペラ歌手。シカゴ在住。
[訳者]
花塚恵(はなつか・めぐみ)
翻訳家。福井県福井市生まれ。英国サリー大学卒業。英語講師、企業内翻訳者を経て現職。主な訳書に『脳が認める勉強法』(ダイヤモンド社)、『世界トップ3の経営思想家による はじめる戦略』(大和書房)など多数。
[日本語版序文]
中野信子(なかの・のぶこ)
脳科学者、医学博士。東日本国際大学特任教授。
東京都出身。1998年東京大学工学部応用化学科卒業。2008年東京大学大学院医学系研究科脳神経医学専攻博士課程修了後、フランス国立研究所にて博士研究員として勤務(2008~2010年)。現在、脳や心理学をテーマに研究や執筆の活動を精力的に行っている。科学の視点から人間社会で起こりうる現象及び人物を読み解く語り口に定評がある。著書に『ヒトは「いじめ」をやめられない』(小学館新書)、『サイコパス』(文春新書)、『努力不要論』(フォレスト出版)など多数。また、「ワイド!スクランブル」(テレビ朝日系)、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)、「有吉ゼミ」(日本テレビ系)などテレビ出演多数。
日本語版序文
中野信子氏からの推薦メッセージ
本書で紹介されている外国語学習法の特徴を一言でいうならば、「努力」をしない、という一点に尽きるのではないだろうか。ちょっと人を食った言い方で、驚く読者もいるかもしれない。
しかし、これは「この本さえ読めば魔法のような方法で楽をして外国語が身につく」といったような意味ではない。
安っぽい売り文句として書いたのでもない。
現時点で分かっている科学的な内容を巧みに取り込みつつ、可能な限り理にかなった方法で、最も合理的に効率よく外国語を身につけるにはどうしたらよいのかについて、筆者が模索し、実践してそれを洗練させてきた結果、こうした方法論にたどり着いた。その集大成が本書といえる。
たとえば、筋力トレーニングひとつとっても、やみくもに負荷を与えればそれでよいかというと、そうではないことがわかっている。適切な負荷を、適切なタイミングで与えることが本質的な筋肉の成長には重要であって、苦行のように負荷を与え続けることは単なる自己満足にしかならない。それどころか、かえって逆効果になることもある。
本書が暗に企図しているのは、外国語学習において多くの人が陥りがちな、努力さえすれば何かが身につく、という信仰にも似た思い込みが誤りであるという問題提起ではないだろうか。
「努力」してしまうと、外国語は身につかない。
生きた外国語を、それが必要な現場で、呼吸をするように繰り出して使いこなしていくには、苦行のような「努力」の積み重ねがそれを邪魔してしまう。苦しければ苦しいほど、身についたような錯覚も満足感も得られる。だが、それでは生きた外国語を身につけることはできない。
もちろん、テストで満点を取るために外国語をマスターしたいのなら、「努力」することは極めて有効だといえるだろう。それ以外の方法は考えにくいかもしれない。
しかし、本書を手に取った皆さんが本当に身につけたいと望んでいるのは、テストで満点を取れればそれで済んでしまうような、死んだ言語体系ではないだろう。
私たちヒトの脳は、変化を重ねる環境に適応するために相応の形をしている。その脳の特性に合わせた学習をすることで、自己満足に陥ることなく、スマートに外国語を使いこなすことができるはずだ。
筆者の提唱する方法がヒトの記憶の特性をよく捉え、それに沿って設計されていることに驚く。外国語学習もようやくこういう段階にきたのか、という感慨を新たにしてしまう。
本文中にも登場するが、
原則1 脳の「忘れるフィルター」を突破する
原則2 できるだけラクをする
原則3 「思いだす」と忘れない
原則4 忘れる直前に思いだす
原則5 過去の記憶を上書きする
という5原則は、外国語だけでなく、これから学ぶすべての事物の学習に役立つものだろう。ぜひこれを実践することで、多くの読者に、真の学ぶ喜びを味わっていただきたいと思う。
<大反響! 連載人気ランキングベスト3>
【第1位】○○を経験すれば記憶力が倍になる
【第2位】教科書を繰り返し読むくらいなら○○せよ
【第3位】○○すれば「r」と「l」がしっかり聞き分けられる
【ダイヤモンド社からのお知らせ 】
発売5日で重版決定!
『脳が認める外国語勉強法』
大好評発売中!
各方面から絶賛の声多数!
・「記憶の特性をよく捉え、設計されている。スマートに外国語を使いこなすことができるはずだ」
脳科学者 中野信子氏
・「外国語でさんざん失敗する前に読んでおきたかった!」
2011・2012年全米記憶力チャンピオン ネルソン・デリス氏
・「次に外国語を習うならこの方法を使う。ウェブやアプリなどを駆使した最新のメソッドだ」
ワイヤード誌創刊編集長 ケヴィン・ケリー氏
単語も文法も忘れなくなる
最強の英語勉強法!
「五感に結び付ける」「できるだけラクをすると覚えやすい」「思いだす練習をすると記憶が定着する」といったような記憶の特性を最大限活かしているので、脳がフルパワーに稼働する。だから、一度覚えた発音・単語・文法を忘れなくなる。
忘れそうになったときに復習させてくれるデジタルフラッシュカード「Anki」、無料でネイティブの音声が聴ける「FORVO」など、無料で便利なウェブサイト/アプリの賢い使い方をこれでもかと紹介しているので、飽きることなく勉強を続けられる。
さらに特典として、
・脳のつながりを強くするフラッシュカードの使い方
・音声記号との付き合い方
・会話が成り立つ604語
を収録。本書の方法にしたがって「Ankiひな形単語帳ファイル(日本語)」をダウンロードすれば、今すぐにでも始められる。
「単語は何度覚え直しても忘れてしまう。年を重ねるごとに暗記におっくうになる……」
「いまさら文法なんて復習したくない。やらなきゃいけないのはわかっているけど……」
「やる気があるのは最初のうちだけで、1週間以上勉強が続かない……」
そのような外国語学習に困っているすべての人に最適な一冊。