ピアニストの齋藤岬さんは中学卒業後「1年だけ」と送り出してもらった米国留学先で、全額給付の奨学生の座を勝ち取り続け、なんと修士課程まで進学しました。でも1年終えたところで資金が尽きました。それで頼ったのが寄付型CF。みごと資金集めに成功し、今は博士課程へと進んでいます。

クラウドファンディング成功の鍵は何か?

 ただし、CFでのプロジェクト成功率はそれほど高いわけではありません。購入型の世界最大手Kickstarter(*4)で3割強、2番手のIndigogoだと2割以下、国内2位のCAMPFIREも3割前後とか。Readyforは成功率7割弱ですが、寄付型中心ゆえに、目標額が(全体としては)低めであること、支援するキュレーターがしっかりしていることの成果でしょう。

 CFプロジェクト成功の鍵は、「最初と最後の盛り上げ」「3分の1の法則」と言われています。

 まずは最初のスタートダッシュがダイジです。CAMPFIREでは、プロジェクトの公開初日に目標額の10%以上を集められたプロジェクトの成功率はなんと88%に跳ね上がります。日本人は他人の評価を重視するので「すぐお金が集まる→いいプロジェクト」と判断しがちだからでしょうか。

 そしてあと大切なのが最後の数日です。これは心理学での「〆切り効果」なのですが、目標額を大きく超えるプロジェクトは別にすると、多くのプロジェクトが〆切り最後の1週間ほどでかなりの額を集めます。自分の貢献がもっともわかりやすい瞬間でもあるからでしょう。

 そういった寄付者の心理をわかっているので、プロジェクト側も、最後数日の広報に精を出します「最後のお願い」というやつです。

身内を固めるだけでは足りない。遠い人に届くかこの願い

 少額のCFは、どうせ身内や知り合いのお金を頼ってるんでしょ、と思われるかもしれません。たとえ寄付型でも、そうでもないのです。

*4 年間調達額が2015年で約7億ドル。