日本の寄付型クラウドファンディングは
個人寄付全体の0.1%以下
群衆(crowd)から資金調達を行うクラウドファンディング(crowdfunding、以下CF)。第180講ではリアル型ともいうべき「薬師寺での写経勧進」について述べました。高田好胤管主は、ひとり1000~2000円の写経勧進を数百万巻積み上げて、薬師寺伽藍再建ための資金数十億円の調達に成功しました。
今回は、バーチャルなCFのお話です。
日本のCF市場は急速に拡大し、2016年度には745億円に達したと見られています。前年比6割増です。しかしその額は、アメリカでのそれの数%程度(*1)に過ぎません。
しかもその内訳を見ると、9割弱は事業性の貸付型や投資型のもので、個々人が商品やサービスを予約する形の「購入型」は62億円、「寄付型」は6億円に過ぎません。個人寄付という視点から見れば、CFを通じた寄付6億円は、年間約8000億円に上る国内での個人寄付(募金やふるさと納税)のたった0.1%以下なのです。
CFは、日本においてまだまだメジャーな活動とはいえないでしょう。でも寄付型CFは、日本の若者たちがその夢をかなえる、とてもとても貴重な機会なのです。
日本のCFサイト最大手、Readyfor (*2)(レディーフォー)で見てみましょう。
*1 アメリカのクラウドファンディング市場規模は2015年度で170億ドル、同時期の日本は363億円。
*2 設立2011年3月、代表者は米良はるか。