職場で「マウンティングおじさん」が増えている理由

何気ない会話の中で、自分の優位性を相手に示そうとする「マウンティング」。知らず知らずのうちに、“若手”にやっている中年層は非常に多い。そして、そのたびに若手からの評価を下げている。こういったマウンティングにはどんなものがあるのだろう。また、そのような行為をしないための方法とは。実際のエピソードを紹介しながら、識者に話を聞いた。(取材・文/有井太郎、編集協力/プレスラボ)

普通の会話と思いきや「バカにされてる」
マウンティングをする中年が増えている

 数年前、「マウンティング女子」という言葉が流行した。マウンティングとは、本来、サルが他のサルの尻に乗って、交尾の姿勢をとることだ。群れ社会の中での序列確認が目的で、どちらが上の立場かを明確にするものである。

 その言葉が転じて、人間関係においても相手を落とし、自分が優位であることを示そうとするコミュニケーションをマウンティングと呼ぶようになった。マウンティング女子とは、おもに女性同士の会話で自分が上だと主張する人のことを指す。特に、どちらが上とも言いにくい、上下関係を決めづらい関係性でこそ、こういった行為は行われる。

 特徴は、一見すると普通の会話に聞こえるが、よく考えると「私、バカにされてない?」と感じるものだ。あくまで何気なく、うっすらと自分の優位性をコミュニケーションに忍ばせるのだ。

「Aさんはいつもオシャレでうらやましい。私は毎朝、子どものお弁当作りに追われていて…」

 こんな会話は、Aさんのオシャレを褒めているのではない。「私は結婚して子どももいる」という幸せアピールを、暗にほのめかしているのだ。