フェイスブックが先週、新規株式公開(IPO)の申請を行ったが、インターネット企業最大級のIPOとして、シリコンバレーに新たな時代をマークする重要なできごととなるだろう。

 かつて1995年にネットスケープがIPOを果たした時には、テクノロジー新興企業が公開企業として認知される大きな礎を築いた。その後グーグルが2004年にIPOした際には、確固とした技術力を持つ企業として、同社は市場に熱狂的に迎え入れられた。

 フェイスブックもソーシャルネットワークという新しい分野で、価値ある企業として広く認知されるのかどうか。同社は50~100億ドルを調達する計画とされるが、このIPOはそれを問うことになるのだ。

 ことに最近は、フェイスブックに先立ってソーシャル系の新興企業がIPOを行ったものの、期待はずれの結果に終わった例が目立った。フェイスブック上でソーシャルゲームを提供するジンガは、鳴り物入りでIPOを果たしたものの、公開後の株価はずっと低迷したまま。フェイスブックのIPO申請で再び話題を取り戻しているようだが、それでも画期的なIPOとはならなかった。

 また、クーポン共同購入のグルーポン株も大いなる声援を受けてIPOを行い、公開初日に31%も値を上げたが、 その後は公開価格の上下をさまよっている。グーグルが85ドルで公開した株がその後一気に上がり、現在も600ドルを超えているのとは大違い。いったい、ソーシャル、ソーシャルと騒いでいるが、市場はその価値を本当に認めているのか、フェイスブックというサービスは長く信頼できるのか、という点が問われることになる。

 SEC(アメリカ証券取引委員会)に提出されたフェイスブックのS-1申請書が公開され、投資関係者はそこから同社の将来性、成長度などを読み取ろうとしている。たとえば、このS-1で記された内容で重要なポイントには以下があるだろう。

・収入と利益
フェイスブックは、過去3年にわたって黒字。昨年の売上は37億ドルで、これは前年度から88%の増加。利益は10億ドル。売上のうち、広告が占める割合は85%で、そのうち上記のジンガからの収入が12%も占めている。