北朝鮮が聞く耳を持っていると中国が判断するなら、制裁に関する慎重論が出されるなど何らかの配慮を取り付けることができるかもしれない。そうした考えが、“微笑み外交”の裏にある。

 北朝鮮は、冬季五輪という世界のスポーツの祭典を利用して“微笑み外交”を仕掛け、日米韓の関係分断や中国からの配慮などを通して、国際社会からの圧力を後退させようと画策している。

“微笑み外交”に
乗せられた文政権の無節操

 北朝鮮が微笑み外交を進めなければならないということは、これまでの制裁などを受けて国内社会の疲弊が進んでいることの一つのサインといえるだろう。

 言うまでもないが、制裁は国連の決議によって発動された措置だ。つまり、北朝鮮にどう対応していくかは、国際社会全体で協議を重ね、方針が決定されなければならない問題と考えられる。

 韓国には、その常識が通用しない。むしろ韓国は、北朝鮮の“微笑み外交”に上手く乗せられている。それは北朝鮮の思うつぼだ。状況によっては、これまで国際社会が協議を重ね、渋る中国やロシアを巻き込んできた制裁への足並みが乱れる恐れもある。

 そうなれば、北朝鮮は時を得たりと、核開発などに従来以上のエネルギーを注ぐことが考えられる。その結果、国際社会は、さらなる脅威に直面することとなる。

 韓国の文政権は、北朝鮮が自国の融和政策に呼応していると考え、さらなる関係強化を求める姿勢を示し始める可能性がある。すでに、文大統領は米国が北朝鮮と対話する用意があるとの考えも示した。これは、行き過ぎだ。無分別、無節操な韓国の政策が、国際社会に与えるインパクトは軽視できない。