そんなこともあって、小売業界では生鮮食品の取り扱いを重視してきたし、逆にコンビニエンスストアがあれだけ急拡大できたのは、生鮮食品を聖域化し、扱わなかったからだ。

 リスクのある商品は取り扱わないで、近くにあったら便利ということに視点を置いた商品のみを扱ってきたからこそ、全国5万5000店以上、市場は10兆円規模にまで成長できたのである。

 コンビニでもファミリーマートは一時、刺し身を扱ったりと生鮮食品の販売に挑戦したが、最近は店頭であまり見ることはないし、セブン-イレブン・ジャパンでも生鮮食品は販売期間の短い刺し身などは扱わず、しめ鯖やたこなど加工された魚しか扱っていない。

生鮮食品市場は「宝の山」
ネット通販企業が照準

 リスクが大きくコンビニでも扱わない、扱えない生鮮食品――。

 現在のところ、これを消費者が買えるのは一般の専門店か、食品スーパー、総合スーパー、百貨店の食品売り場、ネットスーパーしかないのである。

 それだけに生鮮食品市場は「宝の山」だと見ている企業がある。

 それが今回、相次いで連携が報道されている「ネット通販企業」だ。ネット通販企業にとって生鮮食品は喉から手が出るほど欲しい商品であろう。なにしろ生鮮食品があれば自社サイトへの集客を強化できるし、生鮮食品を手掛かりにして他商品への購買につなげられるからだ。

「百貨店の市場規模を抜いた」と報道されるネット通販市場において、ネット通販大手による次の照準の一つが、生鮮食品市場であることは確かだ。