「自分が本当にやりたいこと」「進むべき道」は、実は自分の価値観に忠実に生きることで見つかると説くドクター・ジョン・F・ディマティーニ。自身の人生でもたくさんの壁と障害を乗り越えてきたディマティーニ氏だからこそ、確立できたメソッドは、世界中の若者たちのみならず、ビジネスパーソンの「働き方」も変えてきたと言います。2回目の今回は、「価値観」と「仕事」、そして「お金」との関係について語ってもらいました。

価値観の優先順位がわかれば
働き方にも変化が訪れる

―― ご自身も、小学生の頃学習障害と診断され、その後テントの中で死にかけたホームレス経験を経て、現在は世界的な成功者になられたわけですが、さまざまな経験が今のあなたを形作っているのですね。

 そうです。そういう経験があったからこそ、今の私があります。今では私は、本を書いたり、ワークショップをしたりすることで、多くの奇跡に遭遇しています。

 私はとても恵まれた人生だと思っています。感謝祭の日に生まれた私にとって、感謝することが運命づけられているのでしょう。

―― 当初、『ザ・ミッション』は、南アフリカの若者たち向けの研修だったということですが、今では、企業研修にも応用されているとか?

ドクター・ジョン・F・ディマティーニ人間行動学のスペシャリスト。国際的な教育者・講演家。世界的ベストセラー『ザ・シークレット』に登場し、「現代の哲人」と紹介された。小学生の頃、学習障害と診断され、一時はホームレス同然の生活をしていたが、自分のミッションに目覚め、心理学や哲学、天文学など275以上の分野の知識を身につける。著書に『正負の法則』(東洋経済新報社)、『世界はバランスでできている!』(フォレスト出版)などがある。日本におけるディマティーニ・メソッドの問い合わせは、ディマティーニ・メソッド日本普及協会http://www.japandma.com/(撮影/斎藤美春)

 企業研修では、主にリーダーシップについて教えています。人は誰でもすばらしいリーダーシップを持っています。それをただ発揮するだけでいいのです。

 リーダーの7つの特徴(人生の目的とビジョンがはっきりしている、自分の役割に対する確信を持ち続けている、一貫した目標を持ち威厳がある、チャレンジをしている、既存の枠に収まっていない、自分の時間を大切にしている、自分の中のリーダーシップを認めている)やリーダーシップに必要な5つのS(貢献、専門知識、話す、売る、貯める)などを研修の中では教えています。

 ぜひご自身に問いかけてみてほしいですね。「リーダーになるのか、フォロワーのままでいいのか」と。大きな視野と、長期的時間軸を持つことで、自らのリーダーシップは確実に強化されるのです。