自分の中の「価値観の優先順位」を知り、同時に「他人の価値観の優先順位」も認めることが、効果的なコミュニケーションのための重要な鍵だとドクター・ジョン・F・ディマティーニ。いい人間関係を築くために、必要なこと、大切な視点とは?(聞き手/成瀬まゆみ)

いい人間関係を築くために必要な
コミュニケーション能力とは

―― 自らの価値観を大切にすれば、おのずと成功はついてくるというあなたの考え方は、他人といい人間関係を築くためにも必要だということですね。

ドクター・ジョン・F・ディマティーニ人間行動学のスペシャリスト。国際的な教育者・講演家。世界的ベストセラー『ザ・シークレット』に登場し、「現代の哲人」と紹介された。小学生の頃、学習障害と診断され、一時はホームレス同然の生活をしていたが、自分のミッションに目覚め、心理学や哲学、天文学など275以上の分野の知識を身につける。著書に『正負の法則』(東洋経済新報社)、『世界はバランスでできている!』(フォレスト出版)などがある。日本におけるディマティーニ・メソッドの問い合わせは、ディマティーニ・メソッド日本普及協会http://www.japandma.com/(撮影/斎藤美春)

 人生で何かを成し遂げるためには、効果的なコミュニケーション能力を身につける必要があります。

 コミュニケーションが上手になれば、周りの人はあなたの長期的、短期的な目標の実現に喜んで手を貸してくれることでしょう。

 そして、そのために必要なコミュニケーション能力とは、「自分の大切なものを説明するときに、相手の視点から話をする能力」のことなのです。ほかの人の価値観を大切にすることが、結局は自分のミッションを達成することに役立つのです。誰でも自分の価値観を大切にしてほしいと望んでいますからね。

―― 相手の価値観を尊重することが、コミュニケーション能力を高める第一歩だということでしょうか。

 あなたが周りの人と上手にかかわるための鍵は、相手の価値観に基づいて、自分の価値観を伝える技術を学ぶことにあります。

 ほとんどの人は、自分の価値観のほうが優れていると思い込んでしまっているのです。だから、自分とは違う価値観を持つ人を間違っているとか、つまらないと思ってしまいます。