あるメディアが上場企業に対して実施したアンケート調査 によると、生産性向上のためのIT投資で具体的に何を検討しているかを質問した項目で、5割強の企業が、ネットワークサーバーの仮想化やIoT促進などのインフラ関連投資やソフトウェアやアプリケーションの導入などの新規の投資に前向きなことが確認できている。

より多くの投資資金はM&Aに
企業の株式保有が急増

 いずれにしても、今回の景気拡大局面では、売上高に対する人件費の比率をさらに下げることに企業が神経をすり減らしているのではなく、利益率の向上は、売上原価の抑制など、それ以外の費用項目で実現しようとしているように見える。

 こうした利益率の構造変化を目の当たりにすると、後手にまわっていた雇用者への分配がいよいよ積極的になるか、と期待を持てるのだが、残念ながらそうした動きにはまだつながっていない。

 実は多くの資金は投資資金としてM&Aに投下されているからだ。

 次の表では、企業のバランスシートの変化に着目し、安倍政権が発足した2012年末と、直近(2017年9月末)の主な勘定項目の実額と、その差分を示している。