出口戦略を進める条件は
増税控えた個人消費の回復

 では、日銀が米欧と同じように積極的に出口戦略を進める兆しはあるのでしょうか。

 出口戦略を進めるための条件として、個人消費の回復が必要です。なぜなら今後、消費税増税で消費の減速が見込まれるためです。

 19年は、4月の統一地方選、夏の参議院選挙を控え、10月には消費税引き上げが予定されています。日銀人事案が提示されたため、今後はアベノミクスの3本の矢「大胆な金融緩和」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の中の、財政政策が焦点となります。

 安倍首相はこれまで消費税増税を二度延期しました。今回は教育無償化などに増税で得た2兆円を活用する新たな経済政策を打ち出しており、再度の延期は極力避けたいと見られています。消費税増税による経済や物価への負の影響を吸収するため、大規模な補正予算の編成や、中期的な公共投資・消費喚起策をパッケージにて検討する案が浮上しているようです。

 こうしたことから少なくとも消費税増税までは、日銀は政府の財政政策を金融緩和の継続により支えるという構図になりそうです。

(三井住友アセットマネジメント 調査部 生永正則)