国内世帯のほぼ半数が接続するケーブルテレビジョン(CATV)に変革の波が押し寄せている。業界最大手ジュピターテレコム(J:COM)の井村公彦社長に成長戦略を聞いた。

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──ネットフリックスやフールーなど有料動画配信サービスが台頭し、米国ではCATVの視聴率が低下しています。日本における現状は。

 確かにCATV加入の伸び率は頭打ちになってはいます。しかし加入者は毎年純増しており、米国のように減っているわけではありません。

 ただし米国の状況は注視しています。CATVの契約を解約してインターネット経由の動画視聴を選択する「コードカッティング」という現象が米国で起きましたが、日本でも若年層のテレビ離れは統計に表れています。そういう人たちにどう訴求していくかはわれわれにとって非常に大きな課題です。

 新たな動画配信サービスと、既存のCATVの対立構造がよくメディアで語られがちですが、私は敵対ではなく、むしろ協業する関係にあるとみています。実際に、全米最大のCATV事業会社であるコムキャストは昨年、ネットフリックスと提携しました。この提携により、ユーザーはコムキャストの放送受信装置を使ってネットフリックスの番組を視聴できるようになります。

 J:COMの場合、総加入世帯数は約537万世帯。こうした顧客のパイは動画配信サービス事業者にとって大きな魅力でしょう。

──CATVと動画配信サービス事業者との協業は日本でもあり得るのでしょうか。