金融庁は仮想通貨交換業者に登録制を導入しており、その審査において、交換業者が自身と顧客の資産を分別管理できているかどうかや、反社会的勢力やテロ資金への資金流出に対する防止態勢の整備状況といった項目をチェックしてきた。

 そして、登録申請はしているものの審査をまだ合格できていない「みなし業者」全社に対して、立ち入り検査を実施すると表明。また、審査をパスした「登録済み」の交換業者の一部にも立ち入り検査に入った。

 3月8日、その時点で実施できた検査の結果を受けて、金融庁は仮想通貨交換業者7社に対して一斉に行政処分を発表。その中には、登録交換業者であるテックビューロとGMOコインの2社も含まれていた。さらに、みなし業者のFSHOとビットステーションの2社に対しては、1ヵ月間の業務停止命令という、より重い処分が下された。

 FSHOは、複数回にわたる高額な仮想通貨の売買において、登録業者に義務付けられている取引時確認などを行っておらず、犯罪資金への流出防止態勢に失格の烙印を押された。

 もう1社のビットステーションに至ってはさらにお粗末。同社の100%株主である経営企画部長が、利用者から預かった仮想通貨のビットコインを私的流用していたことが、金融庁の立ち入り検査によって判明したのだ。金融庁は同社に対して刑事告発の指示をしたという(処分発表時点でビットステーションは刑事告発をしていない)。

 これまで、利用者が仮想通貨交換所を選ぶ際の安心・安全に関する有力な判断材料は、金融庁の登録済みか否か以外にないといっていい状況だった。ところが、金融庁がお墨付きを出したはずの登録交換業者でも安心できず、みなし業者に至っては目も当てられない惨状が広がっていることが明るみに出たというわけだ。