コンビニやスーパーに押された
「街の酒屋さん」の生き残り策

「街の酒屋さん」、湊酒飯が開催する試飲会。多くの種類のお酒を1杯200円で試飲できる。3000円で15杯飲んでいくお客もいるという

 昔ながらの街の酒屋さんが減っている。昭和の時代は住宅街には必ずと言っていいほど酒屋さんがあった。「サザエさん」では三河屋さんという酒屋さんがよくサザエさんの家に、御用聞きや配達に来ていたことを記憶している人も多いだろう。

 しかしそんな光景が、哀愁漂うレトロなものに変わりつつある。街の酒屋さんが減っているのだ。

 アルコールの販売免許が規制緩和されたため、今のご時世はスーパーやコンビニ、酒のディスカウントチェーンなどでも買うことができる。さらにそういったお店は、街の酒屋さんより安かったりもする。

 そうなってしまうと、個人のお客さんも飲食店も、街の酒屋さんでアルコール飲料を買ったり仕入れたりする理由がなくなってしまう。そして昔ながらの街の酒屋さんは一軒また一軒と姿を消していった。コンビニになった酒屋さんも多い。

 しかし、街の酒屋さんだって黙ってはいない。店の中の片隅で買ったものを飲める、いわゆる「角打ち」スペースを設置して飲食店のようにすることで新しい価値を提供する酒屋さんもあれば、酒を卸す飲食店の従業員等を招待するイベントを積極的に開催し、酒を知ってもらうことで販路を拡大する店もある。

 今回注目したいのは東京都杉並区高円寺にある「湊酒販」。古くから日本酒への強いこだわりが特徴の酒屋だ。元々は先代が1951年から店舗販売と業務用酒販を並行して営んでいた酒屋を分社化し、現会長である小林啓男さん(76)が90年に業務用酒販部門を引き継ぎ、現在の業務用専門店として発展させた。

 地元高円寺では同店からお酒を仕入れる飲食店も多い。しかしながら、若者の飲酒離れなどから、昨今はアルコールの総消費量は右肩下がり。そのため、飲食店にお酒を提供する酒屋としては対策が必要となっているのだ。