「東洋一の風俗街」から「世界一の居酒屋タウン」へと変貌を遂げた新宿歌舞伎町。そんな街で今、一大勢力を誇っているのが中国人経営の「和風居酒屋」だ。一見、日本人経営の居酒屋と変わらず、大半の客は“中国系”だと知らずに利用している。DOL特集「地下経済の深淵」第12回は、前回に引き続き中国系居酒屋を取り上げ、その源流に迫る。(ライター 根本直樹)
歌舞伎町のビルの5階以上に
入居する居酒屋の多くは中国系
かつて、中国人経営の飲食店といえば中華料理店と相場が決まっていた。だが、昨今は違う。
「中国人だから中華料理屋を開くというのは、俺たちから見たら、頭の固い、ただのバカだ。最近増えている中国東北料理の店なんかにしても、どれも似たような店ばかりで、在日中国人の客しかいなかったりする。日本にいる以上、日本人に合わせた商売をしないと大儲けはできないよ」
こう語るのは、新宿歌舞伎町で「海鮮居酒屋」を経営する遼寧省出身の陳陽氏(仮名・35歳)。EXILE風のファッションに身を包んだ、“やり手”と噂の経営者だ。