在日中国人が経営する「和風居酒屋」が急増している。これまで、新宿歌舞伎町や池袋、渋谷、新橋といった大きな繁華街がその主戦場だったが、最近は都内沿線の街や地方都市にまで進出し、日本の居酒屋チェーンと互角に戦う店も出てきているという。DOL特集「地下経済の深淵」では、今回から2回連続で中国人が経営する「和風居酒屋」の光と闇を追う。(ライター 根本直樹)
日本一の居酒屋激戦区に巣くう
中国系居酒屋のキャッチたち
「飲み放題1000円でやってまーす。お店のほうはもうお決まりですか」
金曜日の夜、人の波でごった返す“セントラルロード”を歩いていると、瞬く間に、メニュー表を手にした居酒屋のキャッチ(客引き)が群がってきて、鬱陶しいことこの上ない。
かつて歌舞伎町といえば、イコール「風俗の街」だったが、いまや日本一の「居酒屋タウン」と言ったほうがふさわしいだろう。条例違反にもかかわらず、街の至るところに居酒屋のキャッチが立ち、ギラついた目で“獲物”を狙っている。その大半は、大手の居酒屋チェーンではなく、個人店、もしくは小規模なチェーン店に雇われたキャッチたちだ。