マーケティングの理想は販売を不要にすることである

　ビジネスを行っていると、つい、顧客についても、自分のビジネスというフィルターを通して見てしまう。24時間365日、そのビジネスのことばかり考えているのはわれわれであり、顧客はそんなに興味をもっていない。それが顧客の現実だ。

　ひとりひとりの顧客はどうか。ノンカスタマーはどうか。いま現在はどうか、過去にはどうだったか。マクロでみるとどうか。顧客の一生から見ればどうか。

　顧客が何を知覚しているかを知るには、ただ顧客に問うのではなく、顧客の置かれた状況を広くとらえ、そこで何を考え、行動するかを、さまざまな角度、時間軸から感じ取る必要がある。マーケティングの基本は、意識してもしすぎることはない。

　次回は企業に欠かせないもう一つの基本的機能、イノベーションについて見ていく。

佐藤等（さとう・ひとし）
佐藤等公認会計士事務所所長、ドラッカー学会監事。1961年函館生まれ。1984年小樽商科大学商学部商業学科卒業、2002年同大学大学院商学研究科修士課程修了。1990年公認会計士試験合格後に開業し、現在に至る。主催する(有)ナレッジプラザの研究会として「読書会」を北海道と東京で開催中。
読書会　http://knowledge-plaza.biz/
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＊この連載は、3/12～3/16まで、5日連続で更新します。

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