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外科の専門医になるには、長い研修と膨大な手術経験が必要だ。それでも、一人前になるにはさらに時間がかかる。ところが近年、初期研修を終えるとすぐに美容外科へ進む若手医師が現れている。長年の修練を重ねる道を選ばないのはなぜなのか。※本稿は、小児外科医の松永正訓『大学病院の正体 手術、人事、教育、研究のすべて』(中央公論新社)の一部を抜粋・編集したものです。
医学部卒後5年を経ても
小児外科の手技は身につかない
専攻医というのは、「専門医」という資格を取るための修業をする医師。小児外科医を例に出して具体的に説明してみよう。
初期研修医(編集部注/医学部卒後の2年間)が終わった段階というのは、主要な科を広く浅く見ただけで、医者としての最低限の基本は身についたかもしれないが、専門性はまったくない。つまり1人で何かをできるということはない。
専攻医になると、小児外科の「専門医」の資格を取るために、その前段階として3年間研修を行う(科によっては5年行うところもある)。研修のプログラムは大学で作るが、研修先は大学病院や関連病院である。そこで何を学ぶか?
「小児外科の専門医」の資格を取るためには「外科の専門医」をまず取得しなければならない。つまり、外科という1階があって、その上に小児外科は2階部分として乗っているのだ。これは、消化器外科・呼吸器外科・循環器外科などでも同様。これらの科も2階部分である。
したがって、専攻医は、3年間に350例以上の手術経験を積み、「消化器外科」「肝胆膵脾外科」「呼吸器外科」「乳腺外科」「内分泌外科」「心臓血管外科」「救急」「麻酔科」「小児外科」の鍛錬を積む。要するに、外科医の基本として手術手技を広く積み上げる。スムーズにいけば、卒後5年で外科専門医になることができる。







