バッテリー電気自動車の性能は
2次電池がカギ
BEV(バッテリー電気自動車)の性能は2次電池がカギになる。1回使いきりの電池が1次電池、何度も繰り返し使える電池が2次電池。BEVは2次電池を搭載する。その性能次第で1充電当たりの航続距離と、電動モーターの性能が変わる。BEVの開発競争は、2次電池の競争といってもいい。最近のBEV用2次電池の開発事情を紹介しよう。
日産が昨年9月に発売したBEVの新型リーフは、従来と同じサイズのバッテリーモジュールながら、30kW・h仕様から40kW・hへと大幅にアップさせている。総セル数192枚は変わらず、重量増も10㎏にとどめた。電池容量保証は、5年または10万kmから8年または16万kmへと延びた。性能アップの理由は、正極材を従来のマンガン酸リチウムからコバルト、ニッケル、マンガンという、いわゆる3元系に変更したから。また、モジュール当たり4セルを8セルに変更した改良でセルを収容するアルミ製モジュールケース数が半減、そのぶん1セルの厚みを増やせた改良効果もある。
コバルトを使うリチウムイオン電池は高価になるが、日産は過去の量産実績と先行投資でコストを抑えた。