睡眠の「スケジュール」を決める

 誰もが自分の眠りの主導権を握ることができる。短期間であれば、特別なイベントなどの間だけ、さらに時間に余裕を持たせるために眠りのサイクルを操作することも可能だ。

 オリンピックに向けて準備をしている選手は、普段の5サイクルの睡眠を4サイクルに切り替えるかもしれない。それによって1ヵ月に丸2日分ほどの時間が生まれる。一時的になら時間の拘束を外してよいと知れば、選手も自信をもってそのように行動できる。

 また、睡眠を5サイクルから4サイクルに落として、調子が上がるか試してみる人もいるだろう。そのサイクルが自分に合っていれば、もう毎晩、夜中に目を覚ますことはなくなるはずだ。つまり、いまや自分に必要な睡眠時間がはっきりしたことになる。目覚めと同時にすっきりと前向きな気分になれるので、昼間の時間も十分に足りてくる。

 あなたもこの、本書の方法を生活に取り入れることが可能だ。

 まずは5サイクルから始めて、7日後の気分を確認しよう。長すぎると感じるなら、4サイクルに落とす。足りない人は6サイクルに上げる。自分に合っていれば調子がよくなるのでわかるはずだ。

 私の望みは、あなたに「自分で睡眠をコントロールしている」という自信を持ってもらうことだ。まずは、自分が決めた「理想の睡眠」になじもう。

 それができたら、今度は生活や仕事の都合に合わせて微調整を考えてみてもいい。一流スポーツ選手と同じように、少ないサイクルを2晩こなしたら、翌晩は理想のサイクルで眠る。だが、1週間に最低でも4回は理想のサイクルで眠るようにしよう。

 いつもきっちりとルールを守れなくても、パニックになる必要はない。夜中に8時間の睡眠が取れていないことを心配する必要がないのと同じことだ。

 なぜならあなたは、自分の睡眠を自分自身で管理し始めたのだから。

 睡眠をスケジューリングしているので、「いつ」が少なくて、「どこ」で問題が発生する可能性があるのかを把握できている。だから、たしかな証拠もなく睡眠が十分に取れていないと不安になるのではなく、日々のルーチンのどこを修正すればよいかを突き止めることができるのだ。