仮想通貨にみる新たなリスク概念
近代からネット時代に大きく変容

 デジタル・テクノロジーの登場により「Technology-based Confidence」「Inter networking personal relation based Confidence」の社会になりつつあります。グローバル化、ボーダレス化が進み、神も国も、信者や国民の生命や財産を十全に保証することができなりつつあるのが、現代です。そうなると生命と財産を守るもっとも強力な装置は、テクノロジーとそれぞれの個別の人間関係ということになります。

 昨年末から世界中を騒がせた仮想通貨の問題はその典型的といえるでしょう。通貨発行権は政府だけが持つ、強力な特権でした。通貨の価値、信用は国家が保証していたのです。だからこそ、通貨の偽造は重大な犯罪でした。仮想通貨はブロックチェーンという暗号技術で、テクノロジーによって信頼を担保しようというものです。

 通貨によっては市場にアクセスしやすいものもあり、しにくいものもあります。国家のパワーや信頼が背景にあるので、それが弱い国家の通貨は必然的に弱くなるわけです。アメリカドルが世界の基軸通貨であり、最強の通貨であるので世界のどこででも使えます。一方、新興国の通貨決済できる国はその国以外にはほとんどないわけです。

 それを仮想通貨であれば、ブロックチェーンの技術を信じる人の間では、国にかかわらず使うことができるようになるわけです。

 仮想通貨に関しては、ビットコインの問題もあり、危険視されるようになっていますが、トライアンドエラーを繰り返し、技術レベルがあがり、さまざまな信頼できる仮想通貨が誕生することで、多くの消費者に利用されるようになるのではないかと思っています。

 日本も、仮に円という通貨が暴落したとしても、多数の仮想通貨が流通している社会になっていれば、リスクに耐えられる可能性が高いといえます。リスクを分散することで、致命的なクライシスを防ぐわけです。