「女性はもともと男性と比べて身体のサイズが小ぶりな上に、子宮や卵巣もあります。大腸を折りたたんで、納めるスペースが狭いため、曲がり角がきつくなっているのです。だから下垂と相まって消化物がますます停滞しがちになるんですね。

 食べ物が消化される時、大腸の中で一方通行に動いていると思われがちですが、実際は、腸が蠕動(ぜんどう)運動することで、行きつ戻りつしながら、粘土をこねるように便が作られていきます。

 加齢によって、この動きが悪くなると、粘土を上手くこねられなくなります。うどん粉やそば粉をこねて麺にしようとしても上手くまとまらない、みたいな状態ですね。

 こうしたことが他の要因と複雑に関係して、便秘になる人もいれば、下痢になる人もでてきます。

 うちにいらっしゃる患者さんは、『若い頃と違って、“バナナウンチ”が出ない』と、下痢を気にされる方が多いんですが、本当は、便秘の方が心配です。腸閉塞の原因にもなりますからね」

 というわけで英子さんは、身体に合う下剤を処方してもらい、便秘に効く体操や食事も教えてもらい、真剣に取り組むことにした。めざすは2日に1回は排便すること。

「もう絶対、ウンチみたいな吐しゃ物が出たなんて言われたくない」

 腸閉塞の痛みもつらかったが、それ以上に、勝義さんの呆れたような物言いに傷ついたという。今は日々、大腸を健康に保つ、「快腸生活」に励んでいる。

(医療ジャーナリスト 木原洋美)