さらに、富士重工業に追い風が吹いた。GMが事業再生に伴い、オールズモービル、ポンティアック、サターン、そしてハマーの4ブランドの事業部を閉鎖。これによって、全米各地で販売力のあるディーラーが、GMの次としてスバルブランドを手掛けることにつながったのだ。ちょうどスバル・オブ・アメリカ(SOA)が、店舗開発を含めたスバルブランドの再生とディーラー再編を進めていた時期と重なったことが、その後のスバル急成長の基盤となったことは間違いない。

 ただし、こうした商品とディーラー再編だけでは、その後の9年で販売台数3倍というミラクルストーリーは描けないはずだ。

 ここで注目されるのが、三番目の理由、SOAが独自に展開する「LOVEキャンペーン」だ。その実態について、スバル本社は詳細な情報を公開していない。また、SOAのウェブサイトでも「LOVEキャンペーン」の概要は説明されているが、さらに踏み込んだ情報は取りまとめられていない。

 そこで今回、新型フォレスター世界発表の取材と合わせて「LOVEキャンペーン」の現状を知るため、SOA本部も近いニューヨークへ飛んだ。

第五世代フォレスター世界発表
ライバルたちが恐れるスバルの底力

新型フォレスターと、スバル代表取締役専務執行役員の日月(たちもり)丈志氏(写真左)と、SOAのCEOへの就任が決まったトーマス・ドール氏 Photo by Kenji Momota

 ニューヨークモータショー2018(一般公開3月30日~4月8日)の報道陣向け公開日となった3月28日の午後1時45分。スバルのブースにはプレス関係者の他、トヨタ、日産、マツダ、フォード、GM、フォルクスワーゲンなど他メーカー関係者の多くが詰めかけた。

 お目当ては、第五世代となる新型フォレスターだ。

 フォレスターは1997年にデビューした、いわゆるクロスオーバーSUVのはしりである。スバルにとっては世界市場における最多販売モデルで、アメリカ市場の販売の約3割を占める重要モデルだ。