日刊アルバイトニュースは、もともとはアルバイト情報だけではなく、下宿屋の情報など学生生活全般を支援する媒体でした。

 2つ目は、「リクルート」という社名を冠しない雑誌は認められないというものでした。江副さんは創業者なので社名にはこだわりがありましたから。

 でも、雑誌のターゲットは若い人。若い人は情報の利便性やデザインで判断するので、リクルートを名乗らない方が得策だと私は判断したのです。「リクルートアルバイト情報」ではなくて、『フロム・エー』という名前にしました。

──『フロム・エー』にはどんな意味が込められているのですか。

 アルバイトのAと、アルファベットの最初という意味のAをかけています。自分がなりたい仕事。その職業に就くための世界を紹介する情報誌にしたかったのです。

──非正規雇用の求人を出す企業のターゲットはどのように設定したのですか。

 1982年に創刊したとき、外食のフランチャイズ、コンビニのフランチャイズが伸びていましたので、サービス業をメインダーゲットにしました。

『フロム・エー』の知名度を上げた
ディズニーの広告

 もう一つ、サービス業で大きな節目がありました。創刊翌年の83年に東京ディズニーランドがオープンしたのです。運営するオリエンタルランドは、当時でもキャスト6000人をエントリー制で募集していました。

 オリエンタルランドには相当営業をかけました。創刊初期の『フロム・エー』の「表4(雑誌の裏表紙。広告料金が高額)」は、ずっと東京ディズニーランドの広告が載っていました。

──ディズニーの広告が『フロム・エー』の知名度を上げたのですか。

 そうですね。ディズニーのキャストは、若い人にとって夢のある仕事でした。仕事に楽しさがあり、仕事から学べる。そういうことを伝えられる媒体として、認知されるようになったと思います。求人情報は条件や場所だけではない、と発信できたので、アルバイトニュースとも差別化できました。