町では空き巣被害が続出
住民は不満が鬱積している

――国に対してはどのような思いがあるか。

 政府は一生懸命やっているということは分かっているし、前例がないことだということも分かっている。しかし、スピード感がない。将来像を見せてほしい。

 震災直後の対応を思い出すと、とにかく正確な情報を迅速に伝えることを政府は徹底してほしい。私たちが避難するとき、発電所の状況が危機的な状況になっているということは、まったく伝わってこなかった。

 避難するときは、町民に「国の命令が出たので避難してください」ということだけしか伝えられなかった。原子炉がどういう状況になっているのか、避難するとしたら何日間なのか、何を持って避難したらいいのか、そうしたことがまったく伝えられず、とにかく「避難しろ」と。本当に着の身着のままだった。いま、町では空き巣の被害も何百件と出ているという。

 これから、除染が済んで町に帰れたとしても、一次産業は難しいだろう。米、梨、キウイ、ホウレンソウ、カボチャなど、震災前は重点的に取り組んでいた。それが軌道に乗ってきたところだった。残念で仕方ない。