たとえば、お子さん2人を持つOさん一家の純粋リスクの変動を、人生のフェーズに沿って考えてみましょう。

フェーズ(1) お子さん2人がまだ小さい。妻も育児に専念しており、Oさんが倒れれば家計は立ち行かない(「大黒柱」期→純粋リスク大)
フェーズ(2) お子さんが大学4年生と2年生。学費がかかる年月もあとわずか。資産もそれなりに積み上がってきた(「巣立ち」期→純粋リスク中)
フェーズ(3) 子どもが社会人になり自分の家庭を持った。Oさんも定年退職し、年金と老後資産で堅実に暮らしている(「リタイア」期→純粋リスク小/無し)

フェーズ(1)では、家計がOさんの収入に依存している状況ですから、純粋リスクは大きく、生命保険による保障が欠かせません。しかし、フェーズ(2)に入ってくると、子どもにかかる養育費もあとわずかですから、大黒柱が死亡したときのリスクは小さくなっています。あまりに保障額の大きい保険は不要なので、保障額を下げて保険料を節約することが可能になります。最後のフェーズ(3)では、純粋リスクはほぼありませんから、場合によっては生命保険はもう不要でしょう。

このように人生のフェーズで純粋リスクの大きさは変わり、つまり保険の必要性も変わります。細かな変更・乗り換えのしやすさという観点で考えても、やはりシンプルな掛け捨て保険がベストでしょう。

なお最近では、死亡保障を一時金のかたちではなく、月々(あるいは年々)に分けて支払ってくれる収入保障保険が人気を得ていますが、これは理にかなったしくみです。