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誰かに指示されたわけでなく、個人の自発的な行動を促す工夫を意味する「仕掛け」。こうした仕掛けを学問として研究している松村真宏氏が、人の行動と仕掛けの関係を実例とともに読み解く。身近な街に潜むさまざまな「仕掛け」を見ていこう。※本稿は、大阪大学大学院経済学研究科教授の松村真宏『なぜ人は穴があると覗いてしまうのか 人を“その気”にさせる仕掛学入門』(幻冬舎)の一部を抜粋・編集したものです。

街にある「仕掛け」を
4つの項目で評価する

 本稿では、仕掛けのタネを仕掛けスコアの計算法を用いて評価しています。

 まず、仕掛けを評価するためにFAD要件[公平性(F)、誘引性(A)、目的の二重性(D)]にユーモア(H)を加えた4つのポイントでスコアリングを行います。

・公平性(F):倫理的に問題がなければ1点、問題がある場合は0点(必要条件)
・誘引性(A):どれだけ人の注意や興味をひくか(0~3点)
・目的の二重性(D):表と裏の目的がどれだけ巧みに両立しているか(0~3点)
・ユーモア(H):思わず反応してしまうような面白さや意外性があるか(0~3点)

 最終的なスコアは次の式で計算します。

 仕掛けスコア=F×(A+D+H)

 公平性(F)は必要条件です。公平性が欠けている場合、どれほど魅力的で面白い仕掛けであってもスコアは0点となります。

 仕掛けスコアが7点以上であれば、仕掛けの要素がバランスよくそろった優れた仕掛けとみなされ、合格ラインとなります。