2万人をみてきた組織開発コンサルタント・勅使川原真衣氏の著書『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』がついに刊行。坂井風太氏も「革新性がある」と絶賛した同書の刊行に寄せて、ライターの小川晶子さんに寄稿いただいた。(ダイヤモンド社書籍編集局)

組織の違和感Photo: Adobe Stock

とにかく「良い人材」を求めがち

「企業が求める人材」というと、知識やスキルの面で優秀なのはもちろん、積極的、素直、問題解決力がある、コミュニケーション能力が高い……といった要素がよく挙げられる。

 とくに新卒一括採用をしている日本では、とにかく「良い人材」を採用し、あとから適性を見て配属先を決めるということも多い。

 とにかく「良い人材」。

 できる限り何でもできる、オールラウンダーが欲しいと言っているようなものだ。私もかつて人事部門にいたことがあるので、その感覚がわかる。

 しかし、現実には「何でもできるオールラウンダー」な人はいない。

 どこかが秀でていれば、どこか足りないところがあるのが人間だ。
 人事担当者だってそうだし、社長も部長もみんな、決して「何でもできるオールラウンダー」ではない。

うまく役割分担できている組織は少ない

 組織として本当に大事なのは、立場や役割の違うメンバーがそれぞれうまく機能して組み合わさることで、目標に向かうことだ。

 要するに、うまく役割分担をすればいいのである。

 ところが、組織開発コンサルタントの勅使川原真衣氏は、『組織の違和感』(ダイヤモンド社)の中で「実際の現場でうまく役割分担ができているところは本当に少ない」と言っている。

 その理由のひとつが、「すべての役割をこなせるオールラウンダーこそ素晴らしい」という幻想を抱いていることだ。

 技術者として成果を出し、管理職になったら今度はチームのマネジメントで成果を出し、経営企画にうつったら経営戦略で成果を出し……。

 そんな人、素晴らしいが幻想である。

レゴブロックのように組み合わせる

 勅使川原氏は、本書の中で印象的なたとえをしている。

社会や組織はレゴブロックの組み合わせのようなもので、個々人の特徴へのジャッジや序列なしに、目的(何をつくりたいのか?)に沿って組み合わせることが大切です。
そして組み合わせるためには「能力」ではなく、その人の「特徴」(持ち味)を知っておく必要があります。レゴで言う、それぞれのブロックの形の違いですね。

 ――『組織の違和感』p.149より

 人にはもともと凹凸があり、レゴブロックのようにうまく組み合わせることで、良い組織になるのである。

 そういう前提でいれば、「管理職になったんだから、もっといい形になれよ」「新規事業の担当になったんだから、もっとハマる形に変わるべきだ」というのはちょっとヘンだなとわかる。

 それぞれの形を把握して、うまく組み合わせ、すごいものを作ればいいのだ。

 本書には、そのための方法が書かれている。
 良い組織づくりに役立つ一冊だ。

(本稿は、『組織の違和感 結局、リーダーは何を変えればいいのか?』の発売を記念したオリジナル記事です)

小川晶子(おがわ・あきこ)
大学卒業後、商社勤務を経てライター、コピーライターとして独立。企業の広告制作に携わる傍ら、多くのビジネス書・自己啓発書等、実用書制作に携わる。自著に『文章上達トレーニング45』(同文館出版)、『オタク偉人伝』(アスコム)、『超こども言いかえ図鑑』(川上徹也氏との共著 Gakken)、『SAPIX流 中学受験で伸びる子の自宅学習法』(サンマーク出版)がある。