このように、空き部屋が悪用されるのは、短期の賃貸マンションや私書箱に比べて、身元が割れにくく費用も一切かからないからだ。また、荷物を受け取るだけであれば会話もしなくても済み、外国人でも大丈夫といった事情もある。

 そのため楽天では、不動産や住宅情報を提供しているサイト「LIFULL HOME'S」を運営する株式会社LIFULLと組み、空室情報と注文情報とを結びつけ、大量の注文が入る前に不正注文検知、取引を中止させる取り組みをスタートさせている。

名義貸し出店による
偽造品販売も横行

 ネット通販をめぐる不正や犯罪は、偽造したり盗難に遭ったクレジットカードを使ったものだけではない。

 ある日のこと。川崎市で整体院を開いているという個人事業主の男性から、楽天に対し出店の申請があった。要件を満たしていたため、とりあえず出店は認められたが、不審に思った楽天は出店後の調査を実施した。

 すると、その店は、整体院とは全く関係のないコスプレの衣装や、子ども服を販売していたことが判明。しかも、商品は全て偽造品で、大阪の転送会社から発送、返品先も福岡の住所になっていたという。

 これは、いわゆる「名義貸し」出店による「偽造品販売」の手口だ。具体的には、(1)名義貸しをした個人や法人の名前を使い、さまざまな名義で繰り返し出店する、(2)中国からシステムを操作し、偽造品を中国から転送会社を使って直接ユーザに届けるというもの。その際、出店者の名義はさまざまだが、返品先は東京都の新小岩や千葉の松戸市、三重県の鈴鹿市など同じケースが多い。つまり、同一の「組織」が、偽造品販売を行っているというわけだ。