一方、夫はどうでしょうか?離婚する気満々だったのに、妻がOKしてくれず、肩透かしを食らったような形です。「離婚したいのに、妻のせいで離婚できない」と嫌々結婚生活の継続を余儀なくされた人間が、「やり直すための努力」をするでしょうか?むしろ、関係を修復しようと頑張っている妻を邪魔するような言動をとるはずです。

 夫婦関係が最悪のまま現状を維持できればまだマシな方で、実際には関係が悪化の一途を辿るのです。まさに「無限地獄」そのものです。

 夫が離婚を考えるほど夫婦間は険悪なのに、無理して結婚生活を続ける……心の通じていない両親のもとで育てられることが、妻の言う「子どものため」になるのか否か。そこをちゃんと検証してみる必要があります。

 まず、夫婦関係が悪化すればするほど、夫婦間の喧嘩、言い合い、いがみ合いの回数は、比例して増えていくでしょう。妻がいくら「子どもの前ではやめて!」と静止したところで、隠し通せるものではありません。「だましだまし体裁を繕う」には限界があります。

 だから、遅かれ早かれ、父親と母親の「醜さ」は子どもの目に焼き付きます。、いかんせん、子どもは敏感です。すっと以前から両親の仲が悪いことくらい、2人の空気を読んでうすうす察していたでしょう。とはいえ、喧嘩の現場なんて見たくなかったはず。

 結局、予感が「悪い方」に的中したのだから、そのショックは計り知れないほど大きいのです。

父親にも母親にも味方できず
パニック状態に陥る子どもたち

 それだけではありません。もし、父親(夫)がほとんど育児に関与せず、子どもとの間に会話がなく、日々の生活のなかで接点を持っていないのなら、多少なりとも離婚のショックは軽減されるでしょう。母親をかばい、父親に対して敵対心をむき出しにしていた子どももいるかもしれません。。諸悪の根源を父親に押し付ければ、ある程度、気持ちの整理はつくはずです。

 一方、父親が育児に協力的で、子どもとも仲が良く、子ども自身も「パパが好き」だと口にしている場合は、どうでしょうか?離婚のショックはむしろ倍増します。父親だけをかばうことも、母親だけの味方をすることもできず、結局、「どっちつかず」の態度をとるしかないのだから。子どもはただでさえパニック状態なのに、こうした難しい立場に置かれることで、混乱に拍車がかかるのです。