高齢で孤立しがちな飼い主にも
ご近所さんは心強い

 ペットを飼っていて困るのは、単身のビジネスパーソンや高齢者である。近所に知り合いもなく、相談相手がいない飼い主も少なくないだろう。犬のように毎日散歩をさせる必要がなく室内で飼えるので、高齢者は比較的、猫を選ぶことが多い。しかし、高齢になると、いつ病気になるかわからない。飼うことが難しくなってしまい、やむなく保健所に連れていく飼い主もいるが、そういう悲しいケースを少しでも減らすことにつなげていきたいと谷口さんは話す。

「まず最初に挑むのは“ペットの殺処分ゼロの世界”です。日本では年間5万匹のペットが殺処分されています。なぜ殺処分が起こるのか。その要因が日本にはたくさんあります。私たちはその一つひとつの要因を、テクノロジーの力を使いながら解決していきたいと考えています。コミュニティを通して互いに支えあえば、猫の殺処分もゼロにできると思います」

 一般社団法人ペットフード協会の調査によると、全国の家庭で飼育されている犬は892万頭、猫は952万6000頭である(2017年12月時点)。これまでは犬の方が多かったが、昨年末に初めて猫が上回った。猫に関するマーケットは拡大しているが、その分、適切なサービスは少ないのが現状である。需要に供給が追いついていないのだ。

 調査では、飼い主の要望として「あったらいいと思う飼育サービス」の第1位が旅行中や外出中の世話代行サービス、2位は「高齢で飼育不可能な場合の受入施設提供サービス」となっている。

 5月下旬に本格的な運用が始まる予定のnyacthing。1人暮らしでも、年をとっても、いつまでも猫と仲良く暮らせる。そんな社会を目指してスタートを切る。

(吉田由紀子/5時から作家塾(R))