このケースでは駆け落ちという極端な顛末となったが、子どもを成人前後にまで育てて育児を一段落させた妻が、自由や刺激を求めて不倫に走るケースは世の中に散見されるようである。体験者や関係者の声を参考に、いくつかのエピソードをご紹介したい。

典型的なタイプ?
子育てを終えた解放感から

 まずは、そうした妻たちの不倫の中でも“解放感”という点で似たケースから。

 Aさん(45歳女性)は専業主婦として一家を支えてきた。会社勤めの夫と学校に通う息子2人の世話に精を出してきたが、やがて子どもが大きくなり下の息子が大学通学のため地方に出て行ってしまうと、広い家にはAさん1人。毎晩帰宅した夫と交わす会話は少なく、夕食、晩酌の用意をしておけばあとは勝手にテレビなどを観ながら寝てしまう。正直なところ、Aさんが日々に充実感を覚えることはなかった。

 Aさんはあまり社交的ではなかったが、今も仲良くしている同年代の女性が1人だけいた。以前パートで知り合ったその女性はAさんとは真逆の性格で、非常に社交的で顔が広かった。まったく違ったタイプの2人だったが妙にウマが合い、10年近く交友関係を続けてきた。

 ある日、2人はいつものように電話で世間話に花を咲かせていた。ふとAさんが日々の虚しさを口にすると、その友人は「今度ちょっとしたパーティーがあるんだけど行ってみない?」と持ちかけてきた。パーティー。そんな華やかな場所は自分にとって無縁である。気後れを感じもするし、初対面の不特定多数と話すことを考えると億劫である。

 Aさんはまったく惹かれなかった。そう伝えたが、友人は強く推した。「パーティーといってもちょっとした飲み会を小ギレイにした程度のもの。気晴らしになるから一度行ってみよう」と。またこうも言った。