財務省にとってのピークは「花の54年組」が栄華を極めた香川俊介元次官がいた時代までかもしれない。それ以降、経済産業省に“実権”を奪われ凋落の道をたどったからだ。DOL「財務省解体の危機」第3回は、その経緯を振り返るとともに、背景を探る。(ジャーナリスト 横田由美子)
人材の低下を招いた元凶は
黄金時代を築いた「54年組」か
「省内のモラル低下、人材の低下を招いた元凶は、2000年代以降、財務省の“黄金時代”を築く礎となった『花の54年組』にあるのではないかと最近思うのです」
離れた距離から、現在の混乱と騒動を見ている元財務官僚は、このように分析してみせた。
霞が関では昔から、優秀でキャラの濃い人材が揃っている期を「花の○年組」と呼ぶ習わしがある。
例えば、大蔵・財務事務次官を経て、日本銀行副総裁などを歴任した後、現在は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会事務総長を務める武藤敏郎氏が在籍した「花の41年組」には、そうそうたる顔ぶれがそろっていることに驚く。