国内のビオセボン1号店は、旧ピーコックの店舗を転換して16年にオープンした麻布十番店であり、今年5月には渋谷区神宮前に3号店、6月には川崎市のイオン新百合ヶ丘店の2階に4号店を相次いでオープンする。

「ビオ」とはフランス語でオーガニックや自然食品を指す言葉。日本のビオセボンの店舗でも、生産者や原料にこだわった日本産の有機農産物や加工品のほか、フランス直輸入のビオワインやチーズなどを販売。

 価格はもちろん、通常の食品スーパーよりもやや割高だが、ワインやチーズと並んで、焼きそばの麺や豆腐など、日本人に馴染み深い食品もそろえている。牛肉はイオン肝いりの「タスマニアビーフ」を販売するなど“イオンっぽさ”が漂うものの、全体として高級感のある商品展開と雰囲気作りで、高級スーパーの成城石井と競合しそうだ。

 また元也社長は、ビオセボンがイオングループ全体をけん引するまでには至らないとはしつつも、商品開発においては「グループの中でトップランナーになる」と語る。

 実はイオンは、自社で扱う農産物のうちプライベートブランド(PB)商品の全てについて、2020年に安全性の国際認証である「グローバルGAP」を達成するなどの目標を掲げるなど、品質向上に力を入れているのだ。ビオセボンで培ったノウハウも、こうした取り組みに注がれていくのだろう。

 一方で、イオンの中核事業である総合スーパーは、2018年2月期の営業利益が前年同期比118億円増の105億円と大幅な増益となった。

 その要因の一つが、PBである「トップバリュ」商品のさらなる値下げに踏み切ったことだ。1点当たりの単価を下げて1人当たりの買い上げ点数が増加した結果、売上高全体がアップしたためだ。これは、消費者がイオンに期待していることが、品質よりも、やはり価格の安さであることを示しているといえるとも言える。

 従って今後イオングループとしては、低価格を維持しつつ、品質へのこだわりをいかに消費者にアピールできるかが課題となる。現在ビオセボンの店頭で修行に励んでいる尚也氏が、いずれその重責を担うこととなるのであろう。