筆者が訪れたインド北部のとある農村にある雑貨店。扱っているのは石鹸やシャンプー、洗剤などの日用品、菓子や文具類などである。店主はもともと雑貨店を営んでいたが、数年前に第4回で紹介したDrishtee Foundationのマイクロフランチャイジー(小規模のフランチャイズ加盟店)となった。

それまでは交通費をかけて、数時間離れた街(それでもインドでは居住地に近いと言える距離)に仕入れに出かけていたため、店に並べる商品の種類は地元で手に入るものばかりであったし、思うような価格交渉ができなかった。しかし、現在はDrishtee Foundationが首都圏で調達した商品を配送してくれるため、以前よりも取り扱う商品の種類が増え、また品質の良いものも取りそろえることが可能になった。しかも農村の人々が買える値段で提供でき、自分も利益を得られる価格で仕入れることができる。

インド農村部でマイクロフランチャイズによって開かれた小売店
Photo by Japan Research Institute

 これは、前回紹介したマイクロフランチャイズの一例である。ソーシャルビジネスでは、事業展開においてマイクロフランチャイズモデルの有効性が頻繁に語られる。企業にとっては、未開拓の市場に入っていく際の手段である一方、低所得者層にとっては日常生活での選択の幅を広げ、生活の質を向上させる大いなるきっかけとなる。今回は、マイクロフランチャイズモデル立ち上げに焦点を当て、その実現に必要な観点や、立ち上げにはどんな困難があり、それをいかに克服するのかについて探っていきたい。

マイクロフランチャイズは
本当に有効なのか?

 フランチャイズとは本来「個人や小規模店に営業販売権を与える」ことであり、ソーシャルビジネスにおけるマイクロフランチャイズでも基本的には同じでる。