50代以上の女性の声を反映した
アパレル商品が大人気

シニア女性の声を反映した商品開発が売れる秘訣だ若者向けのS、M、Lといったサイズ分けでは、シニア女性にはフィットしない。3D人体計測で商品を開発するとともに、実際の顧客の声を集めて改善することで、好調な売り上げを実現した

 人間が平等に重ねていくもの、それは年齢だ。生きている限り、どんなにあがいても人は歳を取っていく。そして人は、それぞれ自分の年代に合った情報やサービスを選択して人生を快適に過ごそうとする。

 しかし、日本では高齢化が進んでいるのにもかかわらず、若者向けの情報やサービスは多い一方、シニア層、特に50代以上の方のための情報が少ない。またファッションで言えば、大型の洋服チェーン店では若者の体型に合わせたデザインで作られている。

 そこで今回は50代以上の女性のために会員制の雑誌の発行、通販事業を運営する株式会社ハルメクの通販で大ヒットしたアパレル商品(トップスのプルオーバーとパンツ)「3Dセリジエシリーズ」に注目したい。

 こちらの商品は、同社の月間販売部数15.5万部を誇るシニア向け女性誌「ハルメク」の読者の意見を元に、55~65歳の女性130人の体型を計測、分析をしてシニア女性に特化した独自のサイズを開発したものだ。洋服にはS、M、L等のサイズはあるが、シニア女性の体型はそれだけでは測れない。人間は加齢とともに、筋肉のつき方や骨格も変わってしまうからだ。

 同社の特徴は、雑誌が会員制ということもあり読者の方との距離が非常に近いということだ。通販で商品を購入した読者からアンケートを取ったり、商品についての意見を聞いたりする座談会を頻繁に開催して、読者の声を商品に反映していく。

 この「3Dセリジエシリーズ」も顧客の生の声から「シニア女性の“あったらいいね!”」を実現した商品である。