前を歩く美女。気になって追い越しざまに顔をのぞくと、おばさんだった! こんな体験、ありませんか。50~60代の女性はファッショナブルで着こなしも若々しい。中でもバブル世代のアラフィフの勢いは、まさに「怖いモノ知らず」系。腰かけ就職に、寿退社……。専業主婦という「空白の期間」を経て、華々しくカムバック。今、社会に増殖中だ。
バブル時代に「スッチー」と呼ばれ、美食にファッションにと、輝くような日々を送ってきた元客室乗務員を中心とした3人のバブル女子が立ち上げたプロジェクトがある。その名も「マダムズフェイバリット」。お気に入り商品を、インターネットや、主催する「マダムズマルシェ」で販売する。東京・広尾のハウスレストランで開催するマルシェは毎回大盛況で、マーケットというよりも、マダムズのファンが集うフェスティバルのよう。入場前から行列ができ、来場者の多くが長時間滞在し、マダムズの作る空間を楽しむ。
「一日中いらっしゃる人もいます。『買いたいものは特にないんだけど』と言いながら、心地よくお茶を飲まれています。70代の方もいますよ」(マダムズ代表)
洋服をはじめ、アクセサリーや小物、バッグ、靴、美容サプリや基礎化粧品といった商品が各回ごとに並ぶ。中でもカシミヤの服は人気でオールシーズンで出店している。客の平均単価は2万~3万円という。
きっかけは「何かやりたいね」。バブル時代は、国際線の客室乗務員で、世界中を飛び回り、各国のローカル情報を数多く手にした。当時のネットワークと「目利き力」を生かして、優れた商品をそろえられるし、仕入れだけでなく、オリジナルの商品も販売できる。たとえば、タイのクロコダイルのファームに出かけて製作依頼した財布は9万円(税別)と安くはないが、売り切れ続出だ。