中国向けは鴻海が買い取り

 18年3月期の液晶テレビの世界販売は1000万台に達し、前期の543万台からほぼ倍増。この伸びをけん引したのが中国市場で、調査会社IHSマークイットによると、シャープの中国での販売シェアは、17年は前年の2.2%から7.6%に躍進した。「天虎計画」と名付けられた鴻海グループの中国でのテレビ拡販プロジェクトにより、家電量販店やネット通販サイトで60インチの4Kテレビを5万円台で販売するなど、「赤字覚悟の安値攻勢」(業界関係者)でシェアが急拡大した。

 シャープは中国でのテレビ販売台数を公表していないが、中国市場全体の台数データから逆算すれば、およそ400万台。つまり、シャープのテレビ販売の半数近くが中国向けになる計算だ。

 シャープ関係者によると、これら中国向けの大量の液晶テレビは、鴻海の買い取りだ。「鴻海は中国市場の販売会社の役割」を担っていて、「赤字にならない価格」で液晶テレビを買い取ってもらっている実態があるという。

 結果、中国でテレビを安値で拡販した場合の損失は鴻海が被ることになるため、「グループ内の利益移転」(業界関係者)との指摘もある。現在、液晶テレビの他にも、亀山工場や三重工場で生産する中小型液晶の一部が鴻海からの買い取り対象に、含まれるもようだ。

 17年3月期のアップル向けの売上高は5420億円で連結売上高の26%を占めた。18年3月期の鴻海向けの売上高はどこまで膨らむのか。今期以降も、中国での天虎計画の製品は広がる可能性があり、液晶テレビだけでなく、白物家電やスマートフォンまでが買い取り対象になれば、シャープの主力製品のほとんどを鴻海からのミルク補給に頼ることになる。依存の構図は一段と加速していく。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)