相次ぐスキャンダルの発覚と内閣支持率の低下によって、先行き不透明なものになってきている「安倍3選」。政局が混迷を深める一方、注目されるのは次期総裁選への出馬がうわさされる「ポスト安倍」の有力候補者たちの動向と実力だ。総裁選に向けた彼らの動きについて、政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏に聞いた。(取材・文/清談社)

ポスト安倍一番手は
地方票で人気の石破茂元幹事長

ポスト安倍一番手は石破茂元幹事長ですポスト安倍の一番手と言える石破茂氏。地方で抜群の人気があることが強みだが、一方で石破派の国会議員は20人しかいない。他派や無派閥の議員の協力を取り付けられるかどうかがカギとなる  Photo:AFLO

 安倍政権の屋台骨が揺らぐなか、与党内からは安倍首相の自民党総裁選不出馬や内閣総辞職、はたまた疑惑払拭と政権延命のための“黒い霧”解散まで様々なシナリオがささやかれはじめた。ポスト安倍の面々はどのような動きを見せているだろう。

 まずポスト安倍の一番手とも言えるのが、石破茂元自民党幹事長だ。最近では、相次ぐ政権の不祥事について「政治は正直で、誠実で、親切で、丁寧でなければいけない」と発言するなど、安倍政権への批判的なスタンスを隠そうとはしない。また新聞などの「次の総裁にふさわしいのは誰か」という世論調査でも、安倍首相を抑えてたびたび1位になるなど、ポスト安倍候補のなかで、国民からの知名度や期待度は群を抜くものがある。

「石破元幹事長は、現在、自身が率いる石破派(水月会)の議員たちと一緒に総裁選へ向けた政権構想をまとめているところです。通常国会終了後に、それを発表するのと同時に正式な出馬表明をすることになるのではないでしょうか。順当にいけば、そのスケジュール通りの動きになると思います」(鈴木氏、以下同)

 石破氏の強みといえば、やはり自民党の一般党員が投票する地方票だろう。6年前の総裁選でも、5人の候補者が乱立するなかで、地方票300票のうち55%にあたる165票を獲得し、安倍氏を圧倒した。

「今でも地方での石破人気は根強いものがあり、講演依頼も多い。石破氏も意欲的で、国会の委員会を終えた夕方から、地方に講演のために駆けつけることもあるほどです。来年には統一地方選と参院選があるから、石破氏に対して、選挙の顔を期待する声は今後さらに高まっていくはずです」