「魚仁」のアラ煮
「魚仁」では日替わりでアラ煮も格安で提供している。この日は「金目鯛」だった

 魚がおいしい飲食店は、この状況に臨機応変に対応し、その日一番の良い魚を選び、一番良い方法で提供できる術をわきまえている。「魚仁」でいえば、看板メニューの「親父のおまかせ盛」は、日によって出てくる魚が変わる臨機応変なメニューだ。さらに、常連でなくとも普段のメニューにないその日限定の魚料理を店員がすすめてくれる。

 このように、「魚の回転が早くて、臨機応変」な点こそが、魚がおいしい飲食店に欠かせない特徴なのだ。

 では、「魚仁」に限らず、入った飲食店の中からおいしい魚料理を選ぶためには、何に気をつけたらいいのだろうか。ここからは、飲食店で魚を食べる際に絶対に押さえておきたいルール3つをご紹介する。

【おいしい魚を食べるルール1】
手書きの「日替わりメニュー」から注文する

 飲食店のメニューを大きく分けると、きちんとした印刷物でいつも置いてある「定番メニュー」と手書きの1枚紙で置いている「日替わりメニュー」に分かれる。このうち、魚のおいしいメニューは、「日替わりメニュー」にあることが多い。

「日替わりメニュー」は毎日変える必要があり、飲食店側からすると大変ではある。ただし、前述のように入荷する魚の種類や状態は毎日違う。そんな魚を扱う際に「日替わりメニュー」があると、飲食店としても好都合なのだ。一方、「定番メニュー」はどうかというと、魚は毎日必ず同じ値段、同じ質のものを仕入れられるとは限らないため、商品の質を維持するハードルは高くなりがちである。

 日々種類や状態の変わる入荷した魚の中から、より良い魚を選び、最適な方法で調理した料理が、日替わりメニューとして登場する。この「日替わりメニュー」は書き方や順番も日々変えられるため、それらの情報もメニュー選びの際の手掛かりとなりやすい。築地の卸で働いた経験があり、飲食店の仕入れ状況を知っている者から見ても、当然、おすすめのメニューは先頭に、目立つように書かれていることが多い。

 さらに、文字が走り書きで、雑なほど日替わりメニューは良いことが多い。様々な魚が多く入荷し、魚の処理に力を割く中では、メニュー作成に時間をかけられないからだろう。

 また、日替わりメニューから、その日の魚のコンディションも読み取ることができる。魚のメニュー数が少ない場合や、干物などの加工度合いが高いものが多い場合は、出せるレベルの鮮魚の入荷が少ない可能性が高い。このような場合、素直にそれらを頼むのもいいが、魚はまたの機会にするのも手である。