中国で批判が巻き起こったレノボ Photo:アフロ

あまりに稚拙な日大の
クライシスコミュニケーション

 数日前に、大阪産業大学孔子学院での講演会があった。講演会終了後、関係者や聴講者が集まる懇親会に参加した。この懇親会は話題も豊富で、かなり盛り上がった。

 そこで盛り上がった話題の一つに、5月6日に行われたアメリカンフットボールの日本大学と関西学院大学の定期戦で、日大の選手が悪質なタックルをして関学大の選手に負傷させた問題があった。

 世間の耳目を集める問題なのに、日大側のメディア対策があまりにも下手すぎて、不信感と不愉快な思いを人々に与えた、と参加者の意見は一致していた。確かに、「法人としてお話しすることはない」と繰り返すばかりの日大側の対応は非常に拙く、広報専門家のアドバイスを受けていないのではと疑われてもおかしくないほどだ。

 非常事態によって企業が危機的状況に直面した場合、その被害を最小限に抑えるために行うコミュニケーション活動のことを、中国では「危機公関」と言う。英語の「クライシスコミュニケーション」(Crisis Communication)の訳だ。

 事実関係や危機管理対策の内容を、各ステークホルダー(利害関係者)に迅速かつ適切に伝達するクライシスコミュニケーションは、リスクマネジメントの一環として最も重要な役割を担う。