イニエスタと三木谷浩史・楽天会長
写真:YUTAKA/アフロスポーツ

スペインの名門FCバルセロナのレジェンドにして、2大会ぶり2度目の優勝を目指すスペイン代表の主軸としても来月14日に開幕するワールドカップ・ロシア大会に挑む、MFアンドレス・イニエスタ(34)が、J1のヴィッセル神戸へ完全移籍で加入することが決まった。四半世紀を迎えたJリーグでも最大級のビッグネームは、日本円にして年俸32億5000万円の3年契約(いずれも推定)と条件面でも桁がひとつ違う。果たして、2017年度に赤字を計上したヴィッセルは、どのようにしてビッグマネーをまかなうのか。ヴィッセルが置かれた状況を探っていくと、今回の交渉を主導したとされる日本有数の資産家にして、ヴィッセルの親会社である楽天株式会社の三木谷浩史代表取締役会長兼社長(53)の存在がクローズアップされてくる。(ノンフィクションライター 藤江直人)

2010年W杯を制したスペインの
「無敵艦隊」チームの心臓部も担った存在

 J1が再開される7月が待ち切れない。いつしか「魔法使い」と命名されたピッチ上の一挙手一投足を、一刻も早く日本でも見てみたい。そう思っているファンやサポーターは少なくないだろう。

 リーガ・エスパニョーラ1部の名門、FCバルセロナとスペイン代表で一時代を築き上げたスーパースター、MFアンドレス・イニエスタがJ1のヴィッセル神戸へ完全移籍。ワールドカップ・ロシア大会による中断が開ける7月から、J1のピッチで躍動することになった。

 両親の勧めもあって、12歳の時から「カンテラ」と呼ばれるFCバルセロナの下部組織で心技体を磨いたイニエスタは、2002年10月にトップチームでデビュー。以来、FCバルセロナひと筋でプレーし、獲得したタイトルは9度のリーガ・エスパニョーラ優勝、4度のUEFAチャンピオンズリーグ優勝を含めて、クラブ史上で最多となる32個にのぼる。

 2006年5月にデビューしたスペイン代表では、2008年と2012年のヨーロッパ選手権、2010年のワールドカップ・南アフリカ大会と主要国際大会で3連覇を果たし、無類の強さから「無敵艦隊」と畏怖されたチームの心臓部を担った。

 特にスペインが悲願のワールドカップ初優勝を果たした南アフリカ大会では、両チームともに無得点で迎えたオランダ代表との決勝戦の延長後半11分に決勝ゴールを一閃。スペイン国民を熱狂させた直後に、主審からイエローカードを提示されている。